今回ご紹介するコインはまた古代ローマです。しかし、これまで紹介した古代ローマのコインはすべて紀元後のものでしたが、今回のものは紀元前です。
古代ローマのコインは比較的安く入手できますが、紀元前のものはやはりそれなりに値段も高くなってきます。
今回のコインも状態がいいこともあり、それなりの値段で落札した記憶があります。
1.スペック
- 発行国 共和制ローマ
- 年代 BC 132
- 表面 ローマ
- 裏面 クァドリガ
- 額面 デナリウス
- 材質 銀貨
- 重量 3.95g
- NGC Ch MS Strike:5/5 Surface:5/5

Ch MSの満点です。さすがに素晴らしい状態ですね。オークションでもやはりそれなりに競って落札しました。
2.クァドリガ
クァドリガは馬4頭立ての戦車のことで、古代ローマでは勝利の象徴とされ、その姿はしばしば勝利を象徴する女神ウィクトーリアやペーメーが乗った形で表されます。
クァドリガのデザインはその後のコインでも使用されることがあり、特に有名なのはイタリアのヴィットーリオ・エマヌエレ3世です。エマヌエレ3世は自身もアンティークコイン収集家として知られており、そんな彼が作らせたコインのデザインは秀逸で人気があります。
その中でも、クァドリガはとても精巧に作られており、馬に肉体の躍動感まで伝わるデザインになっています。
また、エマヌエレ3世のコインで馬2頭立ての戦車があります。馬4頭立ての戦車はクァドリガと呼ばれるのに対し、2頭立てはビガと呼ばれ区別されています。
3.SEAR
SEARの「ROMAN COINS」で探すと、このデザインのコインがひたすら続くので唯一異なる裏面の文字で確認しました。
SEARの126がこれに該当しますが、裏面の文字は「P MAE ANT」、その下に「ROMA」です。
「P MAE ANT」は、P.Maenius M.f.Antias (or Antiaticus)らしいです。マエニウス・アンティアティクスを調べてみると、紀元前4世紀の共和制ローマの政治家・軍人という人物が出てきました。
またSEARでもNGCのスラブでも「132 BC」となっていますが、どこかにそんな確定した年号が書かれているのかはわかりません。しかもそれだとマエニウス・アンティアティクスの年代とも異なるのですが、このクァドリガのコインはかなりの種類があるので、過去の偉人を刻印したのかな?
表面はアテナなのだと思っていましたが、SEARでもNGCスラブでも「ROMA」となっています。ROMA?と少しネットで調べてみましたが、そもそもローマの語源もいろいろな説があるらしく、その中にもROMAの元になるような人物像もあるようです。そのことかなぁ?
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