前回まではイタリアの1リラ銀貨と2リレ銀貨を紹介しましたが、今回は10リレ銀貨です。
1.スペック
- 発行国 イタリア
- 発行年 1927年
- ミント ローマ
- 額面 10リレ
- 重量 10.00g
- 品位 銀83.5%
- 発行枚数 44,801,000枚
- NGC MS63

全体的に深いブルートーンがついた1枚です。美しい!
2.ビガ
前回までの1リラと2リレ銀貨のデザインはクァドリガでしたが、10リレ銀貨はビガです。
ビガとはクァドリガのような4頭立てではなく2頭立ての馬車のことを指します。クァドリガと同様古代に実際使われていたものです。
10リレ銀貨はクァドリガ同様人気がありますが、個人的には2頭立てのこのビガの方が馬1頭が大きく、その分より躍動感があるため好きです。

見てくださいよ!この馬体を!
3.発行枚数等
ビガがデザインされた10リレ銀貨は、1926年から1934年まで発行されておりますが、それぞれの発行枚数とカタログ価格は以下の通りです。
年号 | 発行枚数 | MS60価格 | MS63価格 |
1926 | 1,748,000 | 500 | 1,000 |
1927 | 44,801,000 | 75 | 150 |
1928 | 6,652,000 | 250 | 500 |
1929 | 6,800,000 | 850 | 1,700 |
1930 | 3,668,000 | 500 | 1,000 |
1931 | 50 | – | 3,000 |
1932 | 50 | – | 3,000 |
1933 | 50 | – | 3,000 |
1934 | 50 | – | 3,000 |
市場でこの10リレ銀貨を見かけるとほぼ1927年のものです。1927年を除く1926年から1930年の準特年、1931年から1934年の超特年というものですので、1927年以外があまり市場で出回りません。
1927年の最並年号でも実際の取引価格はカタログ価格の約倍近くです。人気のデザインですし、特年なんてほぼ見かけないので並年号でもカタログ価格よりは上がっています。
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