都市景観コイン

ドイツ フランクフルト 1843年 2ターラー 都市景観

実は、先日開催された泰星ネットオークションで1枚だけ落札していました。正直に言って、過去の取引事例からしても高値での落札でした。一応それでも落札にいった経緯を後ほど説明します。

1.スペック

  • 発行国 ドイツ フランクフルト
  • 発行年 1843年
  • 額面 2TALER(3-1/2Gulden)
  • 重量 37.10g
  • 品位 銀90.0%
  • 発行枚数 122,940枚
  • PCGS MS62
PCGS画像

以前、ドイツのオークションで落札した1841年銘の裸コインを紹介しましたが、今回はスラブ入りです。スラブに入った状態でも重量感がありますね。さすが37gです!

2.フランクフルト都市景観

この2ターラー都市景観銀貨の年号別発行枚数及び状態別価格はKMカタログによると以下のとおりです。

 MintageF12VF20XF40MS60
184080224480960
1841120,69580200400800
1842287,375
1843122,94080224480960
1844195,6301102565201,040
ND(1840)

今回のコインは1843年ですが、カタログ価格でも実勢価格でも、年号による差はそれほどありません。もちろん1842年や1840年(年号記載なし)は別でしょうけど。

1843年のPCGSグレーディング数はこんな感じです。

2020.11.21 45 50 53 55 58 61 62 63
1843年 2 1 2 3 2 4 4 1

上にはMS63が1枚だけです。

PCGSのグレーディング数を見ると1841年が一番多く、次いで1843年、1840年、1844年の順に少なくなっていますので、概ねこの順番で現存数の多さになっているのだと思います。

3.落札した理由

さて、冒頭にも書いたとおり、今回の落札金額はこれまでの相場より高めでした。なぜ今回それをわかっていても落札にいったのか。

主な理由は次の3つです。

  1. 現状の相場を考慮
  2. 状態を考慮
  3. 自分の欲求

①現状の相場を考慮

新型コロナウイス感染症が世界中で感染拡大し続けていますが、その影響もあってか、2020年の2月くらいから急激に貴金属の価格が高騰し、それに続きアンティークコインの価格も高騰しました。

私自身としてはこのブログでもお伝えしているとおり、かなりイレギュラーな価格上昇なので、いつか価格は下がると読んでいます。(責任は持てませんので各自のご判断で。)

しかし、もうすぐ1年になろうというここへきても、新型コロナウイス感染症に対して、いまだ確立した予防薬も治療薬もありません。

おそらく価格が少しずつ下がってくるのはそういった世界情勢が落ち着いてしばらくしてからになると思っているので、そうなると数年かかる可能性もあります。

私は、あくまでも趣味で収集しているので今は高いからとずっと購入を控えていたら、趣味が楽しめないということになってしまいます。

そんな理由で、今回は少し自分の中の相場を超えて入札してみました。概ね最近の都市景観銀貨の相場状況を通常の1.25倍と想定しました。

②状態を考慮

下見には行けませんでしたので、あくまでも画像でしか判断できませんでしたが、状態はいいと判断しました。比較したのはAWの過去のMS62とMS63です。

過去のAWのMS62

過去のAWのMS63

今回の掲載画像

今回の掲載画像はPCGSの画像を使用していることがわかります。

さて、過去のAWで出品されていたMS62とMS63と比較してどうでしょうか。平地部分の擦れ、建物の窓、光線、どれを見てもAWでのMS62よりもMS63に近い感じがしました。

③自分の欲求

①にも共通していますが、やはり趣味ですので、損得勘定だけで買う買わないを決めることに我慢の限界もありました。

やはり損はしたくない、という人間心理もありつつ、では何年我慢すればいいのか?という不安もありました。

このフランクフルトの都市景観を持っていなかったことも大きな理由です。

以上の3つの理由で、今年ずっと我慢していたMSクラスの都市景観銀貨を落札しました。

手元に届くまでは画像でしか見ることができなかったので不安もありましたが、実際に肉眼で確認したコインは予想通りの素晴らしい状態でした。

少し光を入れてみるとPCGS掲載画像のようになります。このコインはPCGSのコインPOP代表画像でもあります。

オークションなどでは時に熱くなってしまった相場よりも高く落札してしまうなんてこともよくありますが、今回はそれを初めから考えて落札したので「落札しちゃった」感もなく、満足しています。



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ABOUT ME
サミー
アンティークコイン収集歴はまだ浅く、日々勉強中です。 このブログは自分の備忘録として、そしてアンティークコイン収集をこれから始めようとする方の参考になればと思います。