毎年1月には大規模なヘリテージオークションが開催されていますが、今年も同様に開催されました。
1月には先日開催されたAWも年4回開催される大規模なオークションがありましたが、人気ジャンルはかなりの高騰ぶりで私はついていけずに撤退、相場並のコインは特に欲しいジャンルでもなかったので結局1枚も落札できないという結果でした。
そのため、資金が余ったし、そもそも欲しいコインもたくさん出ていたヘリテージオークションに参加しようと変更しました。(元々AWで落札しても資金が余っていれば参加する予定でした。)
結果から言うと、ヘリテージオークションなど日本からも多くの参加者がいるアメリカオークションでは日本と同様の高騰が見受けられる状態です。
それでは一部紹介していきます。
ヘリテージオークションやスタックスなどは当然アメリカコインの規模が大きいですが、特にアメリカコインに興味のない私はそれ以外について注目していきます。
1.古代コイン
古代コインのロットもかなりの数があり、有名どころも多数出品されていましたが、私が注目していたのは以下のものでした。
1)シラクサ 485-480 BC テトラドラクマ
細かいデザインもかなり秀逸なコインです。
状態も「Ch AU★ 5/5 5/5 Fine Style」と申し分ないものでしたが、もちろん眺めているだけ。
ヘリテージのEstimateは、5,000~8,000ドルでしたが、最終的には手数料込みで28,800ドルでした。
2.ゴチッククラウン
最近のアンティークコイン高騰の波をもろに受けているゴチッククラウンですが、今回はかなりの数が出品されており、分散されるかとも思いましたが、結果は以下の通り。
1)ゴチッククラウン アンデシモ
こちらはPCGSのPR63「CAMEO」付きだったのでただのPR63よりは高くなりました。
Estimateは、12,000~15,000ドルでしたが、最終的には手数料込みで22,200ドルでした。
PCSGのPR63です。
Estimateは、15,000から17,000ドルと「CAMEO」つきより高かったのですが、最終的には手数料込みで14,400ドルでした。
LOT.31228
NGCのPF63です。
Estimateは、10,000~12,000ドルでしたが、最終的には手数料込みで16,800ドルでした。
PCGSのPR62です。
Estimateは、7,000~9,000ドルでしたが、最終的には手数料込みで13,200ドルでした。
NGCのPF62です。
Eatimateは、7,000~9,000ドルでしたが、最終的には手数料込みで10,800ドルでした。
LOT.32835
PCGSのPR62です。
ロットナンバーを見ればわかりますが、これだけは別日でした。
Estimateは、6,000~8,000ドルでしたが、最終的には手数料込みで15,000ドルでした。
NGCのPF61です。
Eatimateは、6,000~8,000ドルでしたが、最終的には手数料込みで8,400ドルでした。
2)ゴチッククラウン プレーンエッジ
PCGSのPR63でしたが、さすがプレーンエッジの63となると高くなりますね。
Estimateは、15,000~17,000ドルでしたが、最終的には手数料込みで43,200ドルとなりました。
プレーンエッジでPCGSのPR63でなおかつ「DCAM」です。さすがに綺麗ですね。
Estimateは、8,000~10,000ドルだったのに対し、最終的には手数料込みで43,200ドルと「DCAM」なしと同額・・・わからない・・・
プレーンエッジでPCGSのPR62でなおかつ「DCAM」です。
Estimateは、15,000~17,000ドルでしたが、最終的には手数料込みで32,400ドルでした。
今回のゴチッククラウンを一覧にしてみました。Estimateの上の数字と最終的な落札価格(手数料抜き)との比率を出しています。
まずがアンデシモエッジです。
グレード | +α | 鑑定会社 | Estimate | 落札価格 | 割合 |
63 | CAMEO | PCGS | 12,000~15,000 | 18,500 | 123% |
〃 | PCGS | 15,000~17,000 | 12,000 | 71% | |
〃 | NGC | 10,000~12,000 | 14,000 | 117% | |
62 | PCGS | 7,000~9,000 | 11,000 | 122% | |
〃 | NGC | 7,000~9,000 | 9,000 | 100% | |
〃 | PCGS | 6,000~8,000 | 12,500 | 156% | |
61 | NGC | 6,000~8,000 | 7,000 | 105% |
次にプレーンエッジです。
グレード | +α | 鑑定会社 | Estimate | 落札価格 | 割合 |
63 | PCGS | 15,000~17,000 | 36,000 | 218% | |
〃 | DCAM | PCGS | 8,000~10,000 | 36,000 | 360% |
62 | DCAM | PCGS | 15,000~17,000 | 27,000 | 159% |
とりあえず、ヘリテージのEstimateはバラバラです・・・
3.都市景観銀貨
ゴチッククラウンと同様、アンティークコインの高騰が顕著に現れているジャンルです。
アウグスブルクの1642年ターラー銀貨、NGCのMS62です。
Estimateは、1,000~1,500ドルでしたが、最終的には手数料込みで2,400ドルでした。
同じくアウグスブルクの1642年ターラー銀貨です。
こちらはNGCのMS62。
Eatimateは、800~1,200ドルでしたが、最終的には手数料込みで1,680ドルでした。
ニュルンベルクの1772年PCBターラー銀貨で、PCGSのMS62です。
Estimateは、1,200~1,500ドルでしたが、最終的には手数料込みで3,360ドルでした。
ニュルンベルクの1711年GFNターラー銀貨で、NGCのMS65です。
このコインは先日のAWでMS63とMS64がいずれも100万円超えし、注目を浴びましたが、ヘリテージのコインはさらに上のMS65です。
Estimateは、4,000~6,000ドルでしたが、最終的には手数料込みで16,800ドルでした。
ニュルンベルクの1745年PPWターラー銀貨で、PCGSのMS63です。
このコインも先日のAWでMS61が30万円超えでした。
Estimateは、2,000~2,500ドルでしたが、最終的には手数料込みで5,520ドルでした。
実はこれ、狙っていたし、まだ自分の中での想定価格だったので入札したかったのですが、セッション3で時間が空いた瞬間寝てしまいまして、起きたら終わってました・・・
ニュルンベルクの1779年KRターラー銀貨で、PCGSのMS62です。
こちらもお馴染みのコインです。
Estimateは、1,400~1,800ドルでしたが、最終的には手数料込みで3,360ドルでした。
上のロットと同じニュルンベルクの1779年KRターラー銀貨で、PCGSのMS62です。
Estimateは、1,400~1,800ドルでしたが、最終的には手数料込みで同じく3,360ドルでした。
チューリッヒの1758年ターラー銀貨で、NGCのMS64でした。
最近の日本国内のオークションでもやたら高値で落札されるチューリッヒ都市景観銀貨ですが、MS64と最高鑑定品です。
Estimateも低かったの早朝起きて狙ってみましたが、やはりそれなりに上がってしまって断念。
Estimateは、2,000~2,500ドルでしたが、最終的には手数料込みで5,760ドルでした。
4.ナポレオン3世&4世
ナポレオン3世好きはこのブログを見た方ならおわかりだと思います。
ナポレオン3世5フラン銀貨の1870年Aで、NGCのMS65+とかなりのハイグレード。
Estimateは、1,200~1,500ドルでしたが、最終的には手数料込みで2,040ドルでした。
ナポレオン4世5フラン銀貨です。
このコインはMS64を所有していますが、MS65の最高鑑定が出品されたので注目してました。
試作貨なのでそこまで多くは発行されていません。
Estimateは、2,500~3,500ドルでしたが、最終的には手数料込みで7,200ドルでした。
実はこれが本命だったのですが、最後競り負けました。それ以上はさずがに追う気になれませんでした。
でもレアなコインだし、日本でも割と人気があるし、最高鑑定だし、価格はあってないようなものです。
まぁ日本で売ろうと思えばこのくらいで入手しても利益は出るでしょうけど、私が落札してもどうせ売るつもりもないのでこの価格は難しいとことです。
4.総括
紹介したコイン以外にもウオッチリストには多数入れていましたが、何せ数が多すぎて紹介しきれません。
とりあえず、ヘリテージのEstimate(予想落札価格)は全くあてにならないということは伝わったと思います。
ヘリテージなどのアメリカオークションだと日本と同様にアンティークコインの高騰は見受けられますし、日本の主要オークションと違って手数料は基本的に20%、それに海外送料、海外送金(カード手数料)、輸入消費税等を考慮すると、なかなか手を出せないコインも多くあります。
と、いうわけで、AWで1枚も落札できなかったので意気込んで参加しましたが、ヘリテージでも歯が立たずという結果でした。
寝てしまうという事態がなかったり、もっと追うこともできたコインもありますが、過去の相場程度での落札は日本でもアメリカでも難しいですね。
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