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前々回記事「コインのグレーディング」
前回記事「コインの鑑定会社① NGC」
前々回記事では二大鑑定会社としてNGCとPCGSがあることをご紹介し、前回記事ではNGCについて解説しました。
今回はPCGSについてもう少し詳しく解説していきます。
注意)…管理人は英語が苦手(というより外国語はすべて苦手です。)なのでNGCサイトの英文はGoogle翻訳にコピペでお願いしています。ただし、Google翻訳の直訳だと明らかにおかしい場合は独断と雰囲気で翻訳していますのでご了承ください。
1)PCGSスラブ表記の解説
①ストライクタイプ Strike Types
・MS (Mint State)
60~70までのグレードで使用。流通コインだが未使用クラスのもので、完全未使用品(MS-70)から傷のあるもの(MS-60)まで状態は様々。
・PF (Proof)
流通コインとは異なり、特別に製造されたコイン。低速かつ高圧なプレスで打たれることにより、通常貨よりシャープなデザインになる。PCGSでは1817年以降のコインにのみ、プルーフコインが存在すると認識している。
・SP (Specimen)
1792年から1816年に製造された造幣局の特別なコイン。その後のプルーフコインの多くの特徴を示している。1817年より前は鋳造技術に限界があったため、後のプルーフコインのような水面のような滑らかさや打ちの均等性もありません。
②グレード Nueric Grades
PCGSスラブに表記されるグレード(数字)はNGCと全く同じですので、各数字ごとの詳細は省略します。
(プルーフコインの表記はNGCではPFでしたが、PCGSではPRです。)
ただし、PCGSの場合は、各数字ごとにどういう状態のコインであるかを画像で掲載していますので、興味のある方はそちらをご覧ください。
MS/PR-70 MS/PR-69 MS/PR-68 MS/PR-67 MS/PR-66 MS/PR-65 MS/PR-64 MS/PR-63 MS/PR-62 MS/PR-61 MS/PR-60
AU-58 AU-55 AU-53 AU-50
XF-45 XF-40
VF-35 VF-30 VF-25 VF-20
F-15 F-12 VG-10 VG-8 G-6 G-4 AG-3 FR-2 PO-1
2)PCGSスラブの照会方法
①照会の方法
PCGSの照会は、PCGSの照会ページで認証番号を入力します。
NGCのようにグレードの入力は不要です。
PCGSのスマホアプリのありますので気軽にお手元で照会をすることができます。
スマホアプリの場合
手順1 アプリを開いたら「Scan Barcode」を押してスラブのバーコードを読む、又はその上のボックスに認証番号を入力して「Submit」
以上の手順で表示された情報、写真掲載のあるコインであればその写真と見比べれば本物かどうかの判断ができます。
なお、スマホアプリではなく、通常のWebサイトはPCGSのトップ画面にもあります。
②偽物スラブに注意
メルカリやヤフオクなどでは頻繁にPCGSの偽スラブを見かけます。
照会方法を知らない人であれば、鑑定済のコインであると勘違いして購入してしまうでしょう。
普段からスラブを見ている人であれば明らかに違和感がありますが、普段見慣れていない人であれば判断できないこともあるかもしれません。
アンティークコイン収集を始めようと思っている人が、このブログを見ることによって、少しでも偽物を購入してしまう被害に遭わないようになればと思います。
ここで、最近某フリマアプリに出品されていたPCGSの偽スラブを例に挙げます。画像は一旦控えますが、通常偽スラブは一目で偽スラブだとわかる粗末な作りです。わからない人のためにも一般的な見方を解説します。
このPCGSを模したスラブに表示されているバーコードの上に「314602.70/96413024」という数字の列があります。
位置的に「314602」はPCGS番号、「70」はそのコインのグレード、「96413024」は証明書番号です。
ここで既にMS62のコインのスラブなのに文字列のグレードを表す数字が「70」になっているので偽物だとわかります。
次にPCGSのアプリで「96413024」を入力すると、「Invalid Cert Number(無効な証明書番号)」、つまりこの証明書番号は存在しない(偽物)という意味のエラーが出ました。
さらにもう一つ、同じく最近メルカリに出ていたPCGSの偽スラブです。同じく画像は控えますが、アメリカの1887年発行のモルガンダラーでPCGSのMS63のコインで、バーコード上の数字列だと「7200.08/37049992」となっています。
これもまたMS63のコインなのにグレードを表す数字が「08」となっています。
そして証明書番号をPCGSのアプリで入力してみると、アメリカの1992年発行のシルバーイーグルでPR69DCAMのコインという情報が出てきました。
全く違うコインです。
そして、「PCGS #」のところの数字が「9857」となっています。
本物のコインであれば通常この数字は「7200」になっていなければなりません。
そもそもコインの種類も異なりますが、PCGS番号も違うということなので、偽物という判断ができます。
注意)…このPCGS番号については、一部の古いスラブの場合、稀にですが、PCGSのミスと思われる不一致が確認されています。
今回例に挙げた2個のスラブについては見た瞬間に偽物だとわかるようなお粗末なものですが、中には本物に近いものもありますし、証明書番号もPCGS番号もグレードの数字も同じものまであります。
その場合には写真掲載のあるコインであれば、売っているスラブ入りコインとPCGSサイトに掲載されているコインをよく見比べて判断する必要があります。
ただし、コインは光の加減などで色彩などが大きく異なって見えることがありますので、そこも考慮して総合的な判断をするようにしてください。
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