前回の記事では2018年の現代射撃祭銀貨を紹介しましたが、今回は1年遡って2017年のコインです。
1.スペック
- 発行国 スイス
- 発行年 2017年
- 額面 50フラン
- 重量 25g
- 直径 37mm
- 品位 銀90.0%
- 発行枚数 1200枚
- NGC PF70 ULTRA CAMEO

前回の2018年は1750枚発行のこの銀貨でしたが、2017年のものは1200枚のみの発行です。
2.スイス射撃祭コイン
この項は、このページだけを見た人のためにも、今後の射撃祭コインの紹介ページには同じ内容のことを説明します。
スイスの射撃祭自体は長い伝統があり、14世紀に始まったとされています。その後、1842年に開催されたクール射撃祭においてコインが発行されたことが射撃祭コインの始まりです。
その後も射撃祭の際にコインが発行されましたが、州発行とされて射撃祭会場のみで使用できたものや通常の流通貨幣として使用できたものなどがあり、また1865年にスイスがラテン通貨同盟に加入したことにより、射撃祭コインの使用が一時国内で混乱を起こしたために、1885年に発行を中止しました。
1927年にラテン通貨同盟が終了し、1934年のフリブルク射撃祭で射撃祭コインが復活しましたが、第二次世界大戦の勃発と共に射撃祭コインは発行されなくなりました。
その後、チューリヒのコイン商などの働きかけで、1984年、チューリヒのオーバーハリス射撃際から再び射撃祭コインが復活しました。
通常、この1984年以降の射撃祭コインを「現代射撃祭コイン」として区別しています。
なお、通常射撃祭コインは銀貨、現代射撃祭コインは金貨と銀貨がありますが、それ以外の材質で製造されたもの、試作貨、ピエフォー、その他の手替わりコインなどもあります。
3.大手2社のグレーディング数
NGCとPCGSのグレーディング数は以下のとおりです。
(2020.9.30現在)
66 | 67 | 68 | 69 | 70 | |
NGC | 0 | 1 | 6 | 86 | 341 |
PCGS | 1 | 1 | 2 | 40 | 55 |
2018年の銀貨と同じようにグレーディング実勢は圧倒的にNGCの方がありますし、同様に70がつく割合もNGCの方が上です。
発行枚数1200枚に対し、500枚以上のコインがグレーディングされているということになります。
4.グラールス
グラールスは、スイスのグラールス州の基礎自治体であり、グラールス州の州都です。人口はやはり1万人未満の小さな町です。
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