前回、前々回に続き、また現代射撃祭銀貨ですが、今回は更に1年遡って2016年です。
1.スペック
- 発行国 スイス
- 発行年 2016年
- 額面 50フラン
- 重量 25g
- 直径 37mm
- 品位 銀90.0%
- 発行枚数 1200枚
- NGC PF70 ULTRA CAMEO

デザインは、オーストリアの大人気金貨で有名な「雲上の女神」です。
2.スイス射撃祭コイン
この項は、このページだけを見た人のためにも、今後の射撃祭コインの紹介ページには同じ内容のことを説明します。
スイスの射撃祭自体は長い伝統があり、14世紀に始まったとされています。その後、1842年に開催されたクール射撃祭においてコインが発行されたことが射撃祭コインの始まりです。
その後も射撃祭の際にコインが発行されましたが、州発行とされて射撃祭会場のみで使用できたものや通常の流通貨幣として使用できたものなどがあり、また1865年にスイスがラテン通貨同盟に加入したことにより、射撃祭コインの使用が一時国内で混乱を起こしたために、1885年に発行を中止しました。
1927年にラテン通貨同盟が終了し、1934年のフリブルク射撃祭で射撃祭コインが復活しましたが、第二次世界大戦の勃発と共に射撃祭コインは発行されなくなりました。
その後、チューリヒのコイン商などの働きかけで、1984年、チューリヒのオーバーハリス射撃際から再び射撃祭コインが復活しました。
通常、この1984年以降の射撃祭コインを「現代射撃祭コイン」として区別しています。
なお、通常射撃祭コインは銀貨、現代射撃祭コインは金貨と銀貨がありますが、それ以外の材質で製造されたもの、試作貨、ピエフォー、その他の手替わりコインなどもあります。
3.大手2社のグレーディング数
NGCとPCGSのグレーディング数は以下のとおりです。
(2020.9.30現在)
66 | 67 | 68 | 69 | 70 | |
NGC | 3 | 5 | 19 | 152 | 263 |
PCGS | 3 | 9 | 34 | 173 | 126 |
この2016年に関しては、2018年・2017年が圧倒的にNGCでのグレーディング実績が多かったのに対し、PCGSでのグレーディング数も多いものとなっています。
しかし、相変わらず70がつく割合はNGCの方が高いです。発行枚数1200枚に対し、780枚以上のコインがグレーディングされているということが、いかに「雲上の女神」が人気かという表れだと思います。
4.ティチーノ
ティチーノは、スイス南部に位置する州であり、州都はベッリンツォーナです。州全体の人口は約35万人です。イタリアとのつながりが色濃く、州の公用語はイタリア語になっています。
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